昨年の国の統計によりますと、塩干品、塩蔵品、煮干し品、燻製品、冷凍食品、節製品などの食用水産加工品のうちカマボコの生産量は全体の27パーセントでトップ。二位は冷凍食品でした。ちなみに魚肉ハム・ソーセージは4パーセントでした。2010年にカマボコ事業所は1,284社で従業員は28,751人であったそうです。
また昨年のカマボコ生産量の第一位は新潟県。その後に兵庫県、宮城県、山口県、千葉県、静岡県、愛知県、そして北海道と続きます。これは全国や広域道県外のスーパー向け量産カマボコのメーカーの所在地が大きく関与して比例しています。つまりすべてではありませんが地産地消ではなく地産外消の消費傾向が強いともいえます。ところで実際にはどこの地域がカマボコを多く食べているのでしょうか。これも国の統計でカマボコをどの都市が一番食べているのかという調査がありました。それによりますと2010年では第一位が仙台市。続いて長崎市、高知市、松山市、鹿児島市と続きます。先のカマボコの生産量と比較しますと、笹かまぼこで有名な宮城県、仙台市がカマボコ王国といえそうです。
それでは二人以上の世帯年齢層別の年間購入金額ではどのようになっているのでしょうか。2012年の国の調査では29歳以下の層と30~39歳の層、40~49歳の層が平均以下でありまして、年齢層が高まるに連れて世帯当たりの金額は増加していますが、平均以上の50~59歳の層、60~69歳の層、70歳以上の層といったように年齢層が高まるに連れて消費を牽引しています。12歳までの食習慣がその後の食の嗜好性を決定付けて生涯つきまとうということが言われていますから年々、カマボコの生産量が日本人のカマボコの消費性向に比例しているとすればカマボコ業界として危機的なことがいえますが、昨年3月には国を挙げて『和食』がユネスコ無形文化遺産に申請されるなど和食ブームが高まっておりまして、以前から特に欧米でも糖尿病対策としての和食が見直されていることからしましても、日本人は結局、加齢とともに食の和食化が幼少期よりも食の嗜好として強まっていくのだろうと私自身の経験から考えています。
しかしながら食の洋食化は戦後日本の食生活の中で今や確固たる圧倒的な主役となりこのまま益々その食における占有率は高まりますから、本来、和食惣菜や一品としての位置づけであるカマボコをどのようにして洋食化するか、〝フィッシュケーキ〟としてのイメージチェンジ、商品の価値創造にもとづいた発想の転換は大切です。戦後日本の加工食品の三大ヒットの中にカニ風味カマボコがあります。その他はカップ麺とレトルトカレーです。日本の食文化においてカマボコは元祖ファーストフードといえるでしょう。カマボコはその簡便さ、栄養性、健康性、素材へのつなぎとしての性質と自身の柔軟性など様々に活躍の場が与えられ、水産資源が豊富な日本では非常に多くのバリエーションが開花した加工食品です。
当社は昭和40年代からフィッシュケーキとしてのソフト感のあるカマボコを作り続けています。その代表が『サーモンランド』、『スカロップランド』そして『シーアーチンランド』のシーフーズランドシリーズです。やみつきの味と食感が人気の逸品です。